お呼ばれで慌てない!和洋中テーブルマナーの基本6選
西洋料理(洋食)のテーブルマナーについて
1-0 はじめに
西洋料理でポイントになるのは、フォークやナイフなどといった「カトラリー(食器)」の使い方です。たくさんの種類があるため、「どれがどれだっけ?」と迷う方も多いもの。ここでは、フレンチを軸にご紹介していきます。
1-1 コースの流れ
- カトラリー(食器)の説明の前に、フレンチのコースの流れについて格式によっても様々ですが、簡単に単語の説明をさせていただきます。
- 1.オードブル(=前菜)
- スープ
- ポワソン(=魚料理)
- ソルベ(=お口直し)
- アントレ(=肉料理)
- デセール(=デザート)
- カフェ・プティフール(コーヒーと焼菓子)
聞いたことがある単語もあるかもしれないですが、知っているとお店の人から突然進行中のコースについて聞かれたときや大切なお連れの方が詳しくて尋ねられた際に動揺せずに最低限受け答えができると思います。
1-2 カトラリー(食器)の種類と使い方
フォークとナイフはそれぞれ「左右対」になるように配置され、外側から順に「オードブル用」→「魚用」→「肉用」となっています。これはコースの出てくる順番と同じです。魚用ナイフは別名「フィッシュスプーン」とも呼ばれます。 また、セットの右端にはスープスプーンが置かれています。
1-3 各料理の食べ方
では、実際の料理の食べ方を見ていきましょう。
1-3.1 スープ
お皿の「手前から奥へ」スプーンを動かしてすくい、音を立てずに飲みます。残り少なくなってきたら、お皿の手前を軽く持ち上げれば上手にすくえます。
1-3.2 魚料理
ナイフ(フィッシュスプーン)で魚の左端から一口大に切っていきます。そして、切り分けた身とソースを、フォークの背に載せて口へ運びます。
1-3.3 肉料理
こちらも魚と同じく、左端から切って食べます。必ず、食べる分ずつ切り分けましょう。
1-4 食べ方の難しい料理
<骨付き魚>
まず上身(骨の上側の身)を左から食べた後、フォークで骨の左端を押さえ、ナイフを骨に沿わせて身と切り離して口へと運んでいきます。
<骨付き肉>
お肉が動かないようしっかりとフォークで刺し、骨にそってナイフを入れれば上手くカットできます。
ここで上手にカットできれば、好感度が上がるでしょう。また逆に雑なカットだとせっかくのシュチュエーションが台無しになってしまうかもしれません。神経質になる必要はありませんが、丁寧に食べることがポイントだと思います。
1-5 カトラリーの置き方で意思表示しよう
<食事終了の合図>
フォークとナイフを揃え、お皿の上に斜めに置きます。こちらは最も有名な所作なのでご存知の方も多いと思います。
1-6 飲み物の頼み方、断り方
食前酒のように先方からオーダーを聞いてくれることもありますが、そうでない場合は担当スタッフを呼びましょう。目線を合わせ、片手を上げればこちらに来てくれます。雰囲気などもありますが、あまり大声で呼び立てることはお店によってはマナー違反と思われることにありますので、気持ちよくお食事や大切な時間を過ごせるようスマートに注文できるように心掛けましょう。
<食前酒(アペリティフ)>
サービススタッフから「料理の前に、お飲み物はいかがですか?」と聞かれたら、「食前酒」のタイミングです。シャンパンやシェリー酒が用意されていますので、注文しましょう。お酒が飲めない場合は、スパークリングウォーターを頼んでも構いません。
<ワイン>
飲んでみたいけれど詳しくないし…とためらう方も多いはず。でも心配はありません。スタッフまたはソムリエに好みと予算を正直に伝えれば、それに合ったものを持ってきてくれます。「甘口(または辛口)で、コストパフォーマンスの良いものを」などと伝えてみましょう。
1-7 洋食(フレンチなど)のおけるNGな行動
また、こんなふるまいはマナー違反ですので注意しましょう。
<スープをズルズル音を立ててすする>
さほど神経質になる必要はありませんが、大きな音は立てないようにしましょう。
<骨付きの魚料理をひっくり返して食べる>
ナイフとフォークで骨を外し、食べるようにします。
<乾杯の時、グラス同士をぶつける>
グラスは繊細で割れやすいため、目線の高さまで持ちあげる程度にします。大声で「カンパイ!」と言うのもいけません。
<ナプキンをきちんと畳んで退店する>
飽くまで「軽く」畳む程度にしましょう。折り目をそろえてきっちり畳むと、「料理やサービスが不満」というメッセージになるためです。
和食のテーブルマナーについて
2-0 はじめに
和食で難しいのは、「お箸」と「懐紙」の使い方。お箸は慣れたつもりでも、意外な落とし穴があるものです。また、普段あまり見ることのない懐紙も、和食ではとても便利なツールです。ぜひ使い方を覚えておきましょう。
2-1 コースの流れ
- 1.先付け(=「お通し」のようなもの。珍味など)
- 2.お凌ぎ(おしのぎ=握りずしや小さめの蕎麦など)
- 3.お椀(=汁物)
- 4.向付(むこうづけ=お刺身)
- 5.八寸(はっすん=お酒にあう肴の盛り合わせ)
- 6.焼き物(=焼き魚または肉料理)
- 7.炊き合わせ(=野菜などの煮物)
- 8.ご飯(=いわゆる「シメのごはん」。お吸い物と漬物もセット)
- 9.水菓子(=果物やアイスクリームなどのデザート)
2-2 お箸の使い方
使う最中だけでなく、取るとき・置くときも気を付けましょう。どちらの場合も、必ずお箸に両手を添えるのがマナーです。
<お箸の取り方>
右手で箸置きからお箸を取り、すぐに左手を下に添えます。
<置き方>
必ず両手を添えて2本のお箸を揃えてから、右手で箸置きに戻します。
<使い終わったら>
そのまま袋に入れるのではなく、袋を結んでからその中に端先を入れて置きます。
2-3 懐紙の使い方
懐紙とは、小ぶりの和紙のこと。昔、着物の懐(ふところ)に入れていたことからこの名が付きました。和食では、キレイに食べるための必須道具です。ネットショップや茶道関連のお店で手に入りますので、事前に買ってバッグに入れておきましょう。
<使い方>
- ・口元をぬぐう(ナプキン代わりとして)
- ・動きやすい食べ物を押さえる(魚など)
- ・口元を隠す(魚の骨を出す時など)
- ・テーブルを拭く(ふきんの代わりとして)
- ・汚れた箸先をキレイにする
- ・受け皿の代わりに、お箸の下に添える などなど…
<使い終わったら>
テーブルに放置するのではなく、必ず畳んで持ち帰り処分するようにしましょう。
2-4 和食におけるNGな行動
<お箸のタブーあれこれ>
自宅などでは家族など身内なのでそこまで気にしない場面も多いかと多いますが、フォーマルな場ではNGなお箸の使い方をご紹介します。
- ・迷い箸(箸先をあちこちに向ける)
- ・移り箸(箸先を付けたものを食べず、他の食べ物に移る)
- ・ねぶり箸(箸先の汚れを舐めて取ろうとする)
- ・涙箸(お椀ものの具から露が垂れること。こうならないよう、お椀は口元に持ってきてから具を食べましょう)
- ・寄せ箸(お椀などにお箸を引っ掛けて手前に寄せる)
<おしぼりで顔や口元を拭く>
おしぼりは、飽くまで「手を拭くため」のものと覚えておきましょう。
<串料理を口にくわえる>
焼き鳥などの串に刺さった料理は、必ずお箸で抜いてから食べます。
中華料理のテーブルマナーついて
3-0 はじめに
中華料理は好きでも、コースはあまり経験しないもの。特に円卓(ターンテーブル)の使い方や、料理の取り分け方は不慣れな人も多いはず。ここではこういった点に絞ってご説明します。
3-1 コースの流れ
- 1.前菜(=珍味など)
- 2.湯(=スープ
- 3.主菜(=メインディッシュ)
- 4.主食(=ご飯ものや麺類など)
- 5.点心(=春巻きなどの軽食、またはデザート)
3-2 円卓の使い方
まず主賓が料理を取り、その後は「時計回り」に回していきます。また、円卓はいわば「共有部分」。お箸や取り皿は載せず、必ず自分の手元に置きましょう。
3-3 円卓の使い方
実は、中華料理も「お皿を置いたまま」食べるのが正しいマナー。西洋料理と同じです。あんかけ炒飯など、汁の垂れそうな料理はレンゲで食べましょう。また、料理ごとに取り皿は取り替え、取り皿へ取り分けた料理は必ず全部食べ切るようにします。
3-4 中華料理におけるNGな行動
<主賓や目上の人より先に料理を食べる>
もし全員が料理を取り終えても、食べるのは目上の人を待ってからです。
<他の人の料理を取り分ける>
意外にも、これはNG。目上の人に気を遣ってしまう場合は、スタッフに取り分けてもらいましょう。
スマートなお会計の方法について
食べ終えた後は、スタッフに合図してお会計を行います。また、コーヒーのお代わりを聞かれた時に「お会計をお願いします」と申し出ても構いません。その後スタッフが伝票を持ってきますので、現金かカードで支払いましょう。割勘の場合、その場でモメないよう代表者が合計金額を払い、退店後にメンバーと清算するのがベターです。
スタッフへの気遣いも忘れずに
また、忘れてはいけないのはスタッフへの感謝の気持ち。偉そうに振る舞っていては同席者からの好感度も下がります。なにかサービスをしてもらった時は、必ず「ありがとうございます」と一言添えるようにしましょう。
身だしなみのポイント
最後に、恥をかかない身だしなみのポイントもお伝えします。
6-1 ドレスコードに合った服装を
ホテルや格式あるレストランの場合、「ドレスコード(服装のルール)」が存在します。お店のHPに載っている場合もありますが、そうでなければ直接問い合わせるのがよいでしょう。もし特にルールのない場合には、キレイめのワンピースかスーツなら無難です。
6-2 過度な香水は控える
また、食事の香りを邪魔するような強いフレグランスはNGです。食事中はさりげなく香る程度のものがよいでしょう。もし食後に二次会などがある場合には、化粧直しの時に好きな香りを付けても構いません。
6-3 女性はストッキング着用+パンプスが無難
華やかな場所であっても、膝が出るような短いボトムスはふさわしくありません。テーブル席・お座敷を問わず、膝下丈のスカートかパンツを着用します。また、足元はストッキングとパンプスがオススメ。ミュールやブーツなどは、フォーマル向きではありませんのでやめておきましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか?意外なマナーも多いですが、基本さえ押さえておけば大丈夫。当日は節度をわきまえつつ、大切な方との食事を楽しみたいですね。こちらでご紹介したテーブルマナーは一部なので、興味がある方はもっと調べてみてくださいね。ちなみに下記の絵本はとても読みやすく小さいお子様とでも楽しめるので、自分の勉強をしつつ、お子様の教養も身につけられるので、ぜひ参考にしてみてください!それでは、美味しいお食事と素敵なお時間を過ごせるよう心構えと作法をしっかり覚えてみてはいかがでしょうか♪